●真夜中の強い光は体内時計をバラバラに狂わす 新たな研究結果の発表 (2007年10月26日)
人間を含む生物が、昼夜逆転の生活を送るといったい何が起こるのでしょう?
by totommy
昼夜が逆転して生活のリズムが狂うと、不眠症を引き起こす可能性があると昔からいわれています。それは、不眠症の原因が、真夜中に強い光を浴びると体内時計が一時的に止まるためだと考えられてきたからです。今回、発生・再生科学総合研究センターのシステムバイオロジー研究チームから新たな研究結果が発表されました。
ヒトをはじめとする生物は、リズムを刻む体内時計を持ち、睡眠・覚醒をはじめとする生理機能をコントロールしています。このリズムが強い光を浴びることで体内時計が一時的に止まってしまう現象を「シンギュラリティ現象」といいます。
1975年にそのメカニズムとして、「個々の時計細胞リズムの停止」、「細胞同士の脱同調」という二つの仮説が提出されて以来30年以上、実験的な実証がなく決着がつかないままとなっていました。
今回、発生・再生科学総合研究センターのシステムバイオロジー研究チームは、近畿大学や名古屋大学の研究チームと、メラノプシンという光受容タンパク質を時計細胞に人工的に導入し、光刺激に対して応答性を示す時計細胞を創出することに成功しました。
個々の細胞の光応答を測定したところ、シンギュラリティ現象は、各時計細胞のリズムがバラバラとなり、時計全体のリズムが平坦化する「細胞同士の脱同調」の結果であることを実験的に解明。すなわち、それぞれの細胞がバラバラに時を刻むため、全体として体内時計が一時的に止まったように見えていたわけなのです。
今回の成果は、 30年以上にわたる難問を解決しただけでなく、時差ぼけや体内時計との関連が指摘されているうつ病や睡眠障害などの治療法を、一歩先に進める可能性を示しました。
最近は、夜12時をまわってもテレビゲームやインターネットをしている子どもが増えてきました。どんな自由な世の中にあっても、身体の健康を守る方法だけは、しっかりと家庭でしつけをしていかなくてはなりませんね。
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投稿者 kksblog : 2007年10月26日 20:17